2020年1月19日話し方の何が問題か具体的に確認する
「『君、話し方教室に行って勉強してきたらどうかな。』って言われたんです。」
先日話し方教室ベーシックコースの見学に来られた方が仰いました。
仮にAさんとします。
私「そうなんですか。」
Aさん「はい。4月に役員の前でプレゼンする機会があるのですが、上司がこのままではまずい、と思ったようなんです。」
私「なるほど。それは真剣に考えないといけませんね。で、上司の方はAさんの話し方のどこを直したらいい、と仰っているのですか。」
Aさん「ああ。それは聞いていません。上司に言われて、とにかく何とかしなくちゃ、と思いましたので。」
Aさんのように「話がよくわからない」とか「話し方を直した方がいいよ」と言われた方の多くは、
「私の話し方のどこに問題があるか教えていただけますか?」といった確認をされていないようです。
一般に、問題を解決するためには、
・その問題の具体的な問題点を特定する
・その問題が発生している原因を突き止める
・原因を解消する対策を打つ
という手順で進めるのが効果的です。
「あなたの話はよくわからない」と言われただけでは、問題があることはわかっても、具体的に何が問題なのかわかりません。
例えば「話がよくわからない」という問題なら、次のような問題点が考えられます。
・滑舌が悪い・・・聞き取りにくくて何を言っているのかわからない
・話があちこちに飛ぶ・・・言っていることの中で何をわかって欲しいのかわからない
・言葉が足りない・・・具体的にイメージできなくて理解できない
まず、この問題点をきちんと認識することから話し方の改善はスタートします。
考えてみると、上司から「話し方教室に通ってみたらどう?」
などと言ってもらえるのはありがたいことだな、と思います。
その上司は、その人の成長を期待して、あえて耳に痛いことを言っているのですから。
せっかくその様に言ってもらえたのなら、
「ありがとうございます!ぜひ改善したいと思います。
自分でも気付いている点がありますが、具体的にどういう点を直すべきだと思われますか?」
などと、問題点を確認していただければ、と思います。
こういう質問をすることは、場合によっては勇気の要ることかも知れません。
しかし、話し方はご自身で改善行動を起こさないと変えることはできません。
その改善行動の第一歩と考えて、踏み込んでいただきたいと思います。
そして、その話を参考に、信頼できる人に相談したり、相性のよさそうな話し方教室で学んだりされれば、より効率的・効果的に改善ができるでしょう。